2008年07月16日

五十鈴と言霊と古事記

先月訪ねた橿原神宮
ご祭神は、神武天皇とその皇后・媛蹈鞴五十鈴媛命
ということですが、皇后の名前のなかに入っている、
「五十鈴」という言葉が、なぜかずっと頭のなかに
引っかかっていて、その「五十鈴」の意味を調べたところ、
面白いことがわかってきました。

その話をする前に、媛蹈鞴五十鈴媛命について
少し触れておきますね。
媛蹈鞴五十鈴媛命の母親は溝咋玉櫛媛命。
しかし、父親は二説あり、一つは事代主神説、
もう一つは大物主神説です。
(※事代主神=託宣を司る神。大物主神=大神神社の祭神)
また、妹の名を五十鈴依媛命といい、
姉と同じ「五十鈴」が使われているんですね。
ちなみに、妹の五十鈴依媛命は、神武天皇の子で
二代天皇「綏靖天皇」の皇后です。

五十鈴から連想するものといえば、やはり
伊勢神宮内を流れる五十鈴川でしょうか。
それから、奈良県の天河神社に古来から伝わる神器の五十鈴
(天宇受売命が使用した神代鈴と同様のものであると伝えられている)。
これも有名ですね。
じつは天河神社が大好きで、これまで四度訪ねたことがあり、
そのとき、その神器を模した五十鈴のお守りを買って持っているんです。
三つの鈴が組み合わさった形なのになぜ五十鈴と言うのだろうか?
不思議に思っていました。


コトタマ学に関する研究や情報を広く公開されている
ウェブサイト「言霊百神」の説によると、

五十鈴……五十個の鈴とは、つまり、
アイウエオ五十音の言霊のことだそうです。

鈴の形は人間が言葉を発している口の形で、
鈴とは言葉を表徴しています。
それで、特に、五十鈴というと、五十音の言霊の意味を
表しているのですね。

伊勢神宮は昔、五十鈴の宮と呼ばれました。
なぜなら言霊五十音を祭った宮だからです。
その経緯など、詳しい説明はここでは省きますが、
唯一神明造と呼ばれる伊勢神宮の本殿の構造は、
アイウエオ五十音図にそっくりそのまま写しかえることが
できるように造られているそうです。

たとえば、神宮の最高の秘儀として尊ばれる本殿下の
「心の御柱」を初めとして、本殿の構造、千木、鰹木に至るまで、
言霊の原理に従って形づくられています。

また、五十鈴や五十鈴川、さらにコトタマの世界観について、
今事記ワークス代表の木戸寛孝氏は、ウェブサイト
「スピリチュアル・ボイジャーズ」のインタビュー記事で、
こう話されています。以下、引用。

「伊勢神宮の神域に入っていくには宇治橋を渡って五十鈴川を
越えていかなければなりませんが、この五十鈴、「五十の鈴」が
意味しているのは何かというと、50音図のことなんです。
そして、川を渡るということは、五十音図の頭の部分『カ〜ワ』に
当てはまり、宇治橋を渡っていく自分自身が『吾・ア』であり、
つまり『アカサタナハマヤラワ』の50音の形式を
暗号化しているわけです。
5つの母音によってア行(アオウエイ)とワ行(ワオウエイ)が
縦に両脇に並び、その間を横並びに8つの父韻
(k、s、t、n、h、m、y、l)がブリッジしています。
この5母音がアマテラスという母性の象徴であり、
8つの父韻を八幡と呼び、スサノオという父性の象徴を
表しています。
この5つの母音と8つの父韻という父と母の掛け合わせにより
五十音図が形式化され、万物を作り出す雛型になっているという
世界観なんです」

五十鈴の意味を調べ始めたことがきっかけで、
「コトタマ学」という学問があることを知り、
その宇宙観に今、かなり引き込まれています。
内容は濃いです、深いです。ホントに。
で、面白い!!

はるか大昔から日本に伝わる、人間の心と言葉に関する
一切を解明した学問が、コトタマ学。
昔はこれを「フトマニ」と呼びました。
漢字を当てると「太占」または「布斗麻邇」となります。

濁音のつく「コトダマ」と清音の「コトタマ」のちがいは、
コトダマは言葉に乗せた念(霊・魂)の力のことを指し、
コトタマは五十音の言および霊そのもののことを指します。
人間の心の構造とその動き、その言葉との関係のすべては
この言霊の学問で解き尽くされているそうです。

そして、そのコトタマ学の教科書が、なんと、
古事記と日本書紀なのですよ!
古事記の神話はアイウエオ五十音言霊布斗麻邇の原理を
言霊百神の物語として説いているそうです。

一番目の天の御中主の神(言霊ウ)から
五十番目の火の夜芸速男の神(言霊ン)までが
アオウエイ五十音言霊のそれぞれを表わしている神名であり、
五十一番目の金山毘古の神から百番目の須佐男の命までが、
五十音言霊の整理、運用法を表わす神名です。
そしてこのような五十音言霊操作の総結論として誕生するのが
天照大神(言霊エ)、月読の命(言霊オ)、
須佐男の命(言霊ウ)の三貴子(みはしらのうずみこ)です。

この神話の内容を受けて、桃太郎等のおとぎ話が作られたというから、
これまた驚きです!!

6月19日のブログに、現代科学が解く宇宙の創造のプロセスが、
「古事記」の国生み神話に神々の名前で表されていたのではないか。
そういう話を書いたばかりですが……

「言霊百神」によると、コトタマ学では、
「古事記」の神代の巻の文章は、大昔宇宙や太陽や地球が
始まったことをいっているのではなく、
心の宇宙の内部に人間の思いや考えが始まり、
次第に頭の中で練られ、一つのまとまった言葉として現われてくる、
人間の心の構造を示している。
しかもその事情を神話の形式で書き表しているということだそうです。

太古の時代には精神内容の表現に必要な概念的用語がなかった。
だから、自然現象による比喩が用いられたわけです。

またまた思考の転換が起こっちゃいました!
コトタマ学は説得力があります。
厳密な法則に基づいたものだからです。

しかし、だからといって、「古事記」の神世は宇宙の創成史で
あると解くことも、あながち間違いではない気がするんです。
なぜなら、人の心も宇宙も、かけはなれた別個のものでなく、
裏と表みたいな関係で、同一の原理でできていると思うからです。

それに、言霊の原理を発見し、そこから地球上に、
ある期間、精神的に豊かな理想社会を築き上げた
聖(霊知り)(ひじり)たちのことです。
宇宙の成り立ちがわかっていたとしても不思議ではない気がします。

古事記の神話は単なる神様の荒唐無稽な物語ではない。
それは、以前にも増して、本当のことのように思えてきました。

戦争のない平等な社会、自然と共生し循環的に生きた縄文時代は、
一万年以上続いていたといわれています。
その時代の人々の生活のなかに、言霊の原理が
しっかり溶け込んでいたから、精神的に豊かな
平和な社会が永く続いたのかもしれませんね。

とにかく、日本人の叡智はすばらしいのです!
日本語、改めて見つめなおしたいと思いました。
コトタマ学、もっともっと、勉強したいですね。
posted by miyo at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 古代の叡智 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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